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プロジェクト

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沿岸域における次世代型波力発電システムの技術開発・実証事業

  • 早稲田卓爾教授
三井造船鉄構エンジニアリング株式会社からの委託研究
平成30年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業
沿岸型波力発電装置設置海域の高精度波浪・推定に関する研究


 日米欧各国は、様々な波力発電機の開発を行ってきましたが、現在わが国でもっとも実用化に近いのは、沿岸域における着床式の波力発電機です。すでに基本性能試験は終了しており、30%程度の設備利用率があることが確認されています。本事業では、さらに設備利用率を40%に、発電効率を50%に改善することを目指して、次世代型の波力発電システムの開発を行っています。

 このような発電機は、港湾防波堤の沖合近傍、10m以下の比較的水深の浅い海域に設置することを想定して設計されています。三井造船鉄構エンジニアリングからの委託研究では、沿岸型波力発電装置の設置が有望とされる海域に対して、波パワー賦存量を推定し、発電機特性を考慮した年間発電量を算出することを目的としています。そのためには、詳細格子での波浪シミュレーションにより、年間発電量算出に必要な、設置海域の波浪条件および波浪頻度分布を求める必要があります。

 沿岸域では一般的には代表的なうねりの入射を想定した、短期のシミュレーションを行うことで、港湾内外の波高の分布を推定します。しかしながら、年間発電量の算出には経年的な変動幅を平均化するために、長期間かつ高解像度での計算が必要となります。そこで、私たちは、実証実験サイトの湾内外を大きさが場所に依存する三角形の格子に分割し波浪の再解析を行っています。モデルの境界条件は、太平洋全域から日本近海5km格子へとダウンスケールするモデルを用いて推定し、最も細かい格子で5m程度まで順次解像度を上げる、高解像度モデルによる波浪推算を行っています。

 実証実験中は、そのような高解像度モデルを用いた1週間の予測計算を行っており、発電量の推定により、実証機の性能評価に貢献しています。将来的には発電機のパワーマトリックスを用いて、年間発電量を推定するとともに、電気予報などに発展させることを目標としています。

波力発電実証機の仕様
波力発電実証機の仕様
実証試験実施海域周辺の高解像度波浪モデル格子の一部
実証試験実施海域周辺の高解像度波浪モデル格子の一部


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